東京都 井の頭公園
恋人たち、家族、友人、子供、カメラをもった学生、外国の人、大道芸人、ボートのってる人、ランナー、犬、猫、みんな幸せそうだった。
冷たい空気のなかの、散歩は気持ちいい。
やさしい街、東京。
イルミネーションのラプソディ
星空に吸い込まれ消えてった
バス通りの退屈な恋人たち
想いざわめく公園から帰って行く
きみは何も言わずに
ぼくの手をただぎゅっとにぎる
この世界の本当の不思議を
ぼくらは今 知ろうとしている
劇場の幕のようにゆっくりと夜が降りてくる
きみの横顔が揺れている 美しい
胸の真ん中を横切ったそれは九月の印画紙
高架下のセレナーデ
夜のため息まじりのメロディ
きみのこころ その澄んだ色を
自分のものにしたいって思ってた
夢みがちな一日にただ一瞬だけ訪れる真実
それがぼくらを惑わす
それがぼくらを惑わす
路地裏に愛の衛星が墜落して ずっと光ってる
恋の横顔が 揺れている はかなく
細い指先が ほどけては そっと闇を照らし出す
吉祥寺 曽我部恵一
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